飲食店向けユニフォームECサイトがSDGsを考える。Vol.2
このコラムでは飲食店ユニフォームを手掛ける企業がSDGsを考えています。商品紹介とは程遠い内容ですが、購入前に読んで頂き、食をテーマに商売を行う仲間として、一緒にSDGsについて考えてみませんか?
目次
飲食店用ユニフォーム専門店の視点で考える衣料品の労働問題
飲食店用ユニフォーム専門店の視点で考える衣料品の労働問題
ユニフォームを商品として扱う私たちにとって、環境問題はいつも隣り合わせです。最近ではアパレル業界にも地球環境や人、社会に配慮した「サステナブルファッション」という考え方が広まり始めていますが、一般的にはまだ知られていない事実も多く、課題はまだまだ山積みです。
これらの課題を解決するには、企業の取り組みはもちろん、私たち一人ひとりが日々の生活で問題を意識することが大切。今一度、服にまつわる環境問題や労働問題について、衣料品に関わる企業の観点を交えて考えてみました。
衣料品の労働問題について、本当のところを少しでもお伝えしたいと思います。
Vol.1で記載した事
Vol.1で記載した事
Vol.1では、ファッション業界における環境問題に触れてきました。一昔前までは大量生産・大量消費こそが正義。たくさん作って沢山販売して、みんなで豊かになりましょう。と言う名のもと、環境への負荷は大きくなっていきました。しかし、近年SDGsなどで環境問題や労働問題、教育やジェンダーなど、様々な問題点が指摘され、それを改善して行こうと言う流れになっています。
とくにVol.1では環境問題に限って記載しました。
ここでは労働問題に関して記載していきます。
安いが正義か?
安いが正義か?
飲食店の味方.comで販売しているコックコートやエプロンも価格的に他社ECサイトと比べて安価な商品もあります。それは「価格も商品を決定する重要なファクターである」と言う事を知っているからです。「同じようなコックコートなら50円でも安い所から購入したい」と思うのは、至って普通の事だと思います。
私の知人は、欲しい商品が決まると、ヤフー・楽天・アマゾン・ヨドバシなど、ありとあらゆるECモールを探索し、送料条件やポイント付与まで計算し、1番やすかったお店から購入すると言う徹底ぶり。一番高いお店と比べて500円安く買えた!と聞いて、(500円は大きな―)と思ったのですが、「1時間ほど調べて決定する」との事。時給換算したら赤字では?と思ってしまいますが、価値観は人それぞれだな。と感じました。
さて、TシャツAとTシャツB
同じデザイン。同じ素材。同じ品質。全てが同じ。
TシャツAは270円 TシャツBは540円
貴方ならどちらを買いますか?
この質問に対して540円のTシャツBを購入すると答える人はいないでしょう。私も270円のTシャツを購入します。同じ商品なんだから少しでも安い方が良いと考えるのは誰しも同じです。
それでは、その安さの秘密はどこにあるのでしょうか?
ファッションが抱える労働問題
ファストファッションが抱える労働問題
衣料品が抱える問題は、地球環境だけではありません。
最近では、流行のデザインを取り入れた衣料品が大量生産され、安く売られています。この、いわゆる「ファストファッション」を可能にしているのが、人件費の安い途上国での生産。vol.1では、「日本は衣類の98%を輸入に頼っている」とお話しましたが、国内ではなく途上国で衣類を生産したほうがコストが抑えられ、結果的に服の価格も抑えることができるからです。
海外で衣類の生産工場を作るのは、実はとても簡単です。極論を言えば、体育館のような広い施設に、テーブルとイスとミシンさえあればいいのですから。安価な労働力とコストのかからない工場建設。消費者に少しでも安く良い物を届けようとするメーカーと生産工場の幹部。その結果、労働環境が劣悪になることも少なくありません。
例えば、学校に行くべき年齢の子どもたちがミシンを使っていたり、職場環境の安全対策がなされていなかったり、など。2013年には、バングラデシュの首都ダッカで8階建ての商業ビル「ラナ・プラザ」が崩壊し、多くの犠牲者を出しました。このビルに入っていたのが、世界の有名ブランドの縫製工場。事故をきっかけに過酷な労働環境が明るみになり、アパレル企業にも世界的な批判が集まり、生産体制の見直しを迫られることとなりました。
それでも270円のTシャツを選びますか?
それでも270円のTシャツを選びますか?
ドイツのベルリンで「Tシャツ、たったの270円(2ユーロ)」と書かれた自動販売機が設置されました。購入しようと寄ってきたお客が2ユーロコインを入れてサイズを選び、スイッチを押すと「時給15円以下(13セント以下)」「1日の労働時間は16時間以上」など、安価な衣料品生産を支えるハードな労働環境の現状とそれを支える人々の映像が写し出されます。
自分たちの生活とはかけはなれた労働環境にショックを受ける人たち。。。
20秒間様々な映像と情報が流れた後、「270円(2ユーロ)でTシャツを買いますか?それとも寄付しますか?」と2つのボタンが現れます。270円を投入した人の約90%が、寄付を選びました。
「Tシャツを購入するつもりの270円を寄付する」と言う行為は「540円のTシャツを購入しても良い」と言う事になりませんか?
背景を知れば、90%の人が540円のTシャツを購入しても良いと考えるのです。
私たちは知らないだけ。
企業として、消費者としての意識が環境を変えていく
企業として、消費者としての意識が環境を変えていく
2015年にはSDGsが国連で採択され、投資家も企業に厳しい目を向けるようになりました。この頃から「エシカルファッション」や「フェアトレード」、「サステナブルファッション」という言葉が注目を集め始めています。企業や消費者の意識も変わり、服が抱える環境問題や労働問題も解決に向けて少しずつですが前進しつつあると感じます。
私たちも、衣料品を扱う企業としてこうした問題を常に念頭に置くとともに、一個人として服の買い方や処分の仕方を考えなければならないと感じています。一企業、一個人がそれぞれ責任感をもって行動することで、より良い環境が形作られていくはずです。
飲食店の味方.comで取り組んでいる事。
飲食店の味方.comで取り組んでいる事。
「地球環境問題やSDGsなど、我々の会社規模で出来る事など何もない」そう考えていた時期がありました。大企業が取り組むべき案件で我々の様な中小零細企業が取り組むべき案件ではないと。
ある時、知人が私に問いかけてきました。
「何の為にコックコートやエプロンを売っているの?」と
私は「自身の生活と会社で働いてくれている従業員さんの雇用の為です」と答えました。
「それなら、コックコートやエプロンじゃなくても良いのでは?なぜコックコートなの?」と
私は「コックコートを購入してくれたお客さんが、この商品、品質もデザインもコストも良いね!と喜んで欲しいからです」と答えました。
「お客さんに喜んで欲しい。言い換えれば世間に喜んで欲しいと言う事ですね。世間が喜ぶと言う事は、君の会社は世間から支持されている、と言う事。大きく考えると、世間から愛される会社にならないといけない。と言う事にならないか?」と
世間から愛される会社
よく解りませんでした。売り手よし、買い手良し、世間良し、これは解りますが、世間から愛される会社ってなんだろう?
解らなかったのが逆によかったのか、食と服をテーマに我々の会社が出来る事ってなんだろう?と考えた結果、以下の様な活動を行っています。